メリー クリスマス

いつもこの頃になると思い出す。

単身赴任で鹿角に在任中のこと。
近所のスーパーのクリーニングコーナーに素敵な女性が座っていた。
汚れ物を持っていくと優しい笑顔で受け取ってくれる。

取れそうになっていたはずのボタンがしっかりと付いている。
おかしいなあと思って買い物のついでに何気なく彼女を見ると、おお、針と糸でなにやら縫っている。
聞いてみると、客の洗濯物を点検して、修理できそうな物は彼女がかがっているのだという。

そして、ある日のこと、ネクタイを出すと、自分では気が付かなかったのだが、中の芯がよれてほとんど使い物にならない状態だった。そんな状態に彼女が気が付き、糸をほどいて芯をのばして、また縫ってくれた。

周りの単身赴任組に聞いてみると連中もやはり気が付いていた。

ある日のこと、
私は間もなく辞めますと言う。
数年前関東地方で働いていて、そこでつき合っていた人が迎えに来てくれることになったのだそうだ。

良かったねと言ったものの一抹の寂しさが募る。
記念に彼女の写真を撮らせてもらって、それを大きく引き延ばし、アルバムを購入して一緒にプレゼントした。

やがて予定の日が過ぎて、ふらりとコーナーに寄ってみると別の人に替わっていた。
洗濯物を受け取ると、「これを預かっていました」とミニ封筒を渡してくれた。
もちろん彼女からだった。
中には丁寧な礼状と彼氏と写した写真が入っていた。
きっと幸せな家庭を築いているに違いない。

さっき
東京に住む娘から手紙が届いた。
クリスマスカードに健康を気遣う言葉が添えられていた。

今夜はクリスマスイヴだ。
メリークリスマス!

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この記事へのコメント

ちゃろ
2007年12月26日 00:53
うーん、いいお話。アンデルセンの童話でも読んでいるような、あったかい気持になりました。英文で書いたらどうなりますか。「一抹の寂しさ」。『シェルブールの雨傘』。雪が降りだしたらどうしましょ。
g
2007年12月27日 00:29
ちゃろさん
どうしましょうか?

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