忍び寄る老い

帰宅するとドサリとソファーに倒れ込む。このところそんな日々が続いている。

およそ2年間にわたる長距離通勤の影響だろうか。
特に冬の通勤は、電車の定時性が損なわれることが多く、心身共に疲れた。
その通勤も間もなく終わる。
第二の職場を退職することにしたのだ。

明らかに指の力が弱くなっている。
瓶のキャップをひねろうとして、ぐいと回してみるのだが、いっぺんで封を切ることができなくなった。
あれっ、このキャップこんなにきつかったけと思うのは、実はキャップのせいではなく、己が筋力の減退のなせる技なのだ。

皮膚の水分が減少し、紙をめくることが不自由になってきた。
指につばをつければ楽なのだろうけれど、それだけはやりたくない。
食料品を扱う店で、指につばをつけて包装紙を一枚取り出し、手早くくるんでくれるところがあるが、それを見てしまうと二度とそこで買い物をしたくない。
書店で雑誌や本を立ち読みしながら、指につばをつけてページをめくっている人を見ると、「ああ、あれだけはしたくない。あの雑誌や本は絶対に買わないぞ」と思う。

固有名詞はおろか、最近では一般名詞すらも口に出ないことがある。
その都度、「あ」から順々に単語を連想するのだけれど、そんな時に限って何も浮かばない。

かと思うと、若い頃の失敗や思い出したくないことが突然何の脈絡もなく頭に浮かぶ。
狂おしい感情の嵐が襲い、もうダメだと思う瞬間がある。
青春時代の甘い、懐かしい記憶が甦るのなら、しばしの間至福の時間に浸れるけれど、苦しい記憶の出来は、これからも悩まされるかと思うと少し大げさに言えば生きた心地もしない。
こんなことが重なって、もう思い出すのが嫌で嫌で溜まらなくなり痴呆へと進むのだろうか。

忍び寄る老いは厳然と受け止めねばならない。
しかし、暗いことばかりではないはず。前向きに考えて余生の充実を考えることにしよう。
少し宮仕えの垢を落として、春からはボランティア活動に取り組みたい。


失われた時を求めて
難渋な第1章を終えて順調に読み進んでいる。

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この記事へのコメント

ルビー
2011年03月04日 09:46
長い間のお勤め生活本当にお疲れさまでした。人間は誰も等しく老いと闘う日が来るのですね。g様はボランティア活動にもう既にかかわっておられるのでそれは素晴らしいことだと思います。これからも美味しいものはしっかり楽しみつつゆらりとでもお元気でご活躍下さい。ブログも楽しみにさせていただきます。
2011年03月05日 11:04
ルビーさん
ありがとうございます。
”ゆらりと”
良い言葉ですね。
これからもゆらりとまいります。
どうぞよろしく!

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