京へ筑紫に坂東さ

朝日新聞の連載小説に「青銭大名」がある。

最近読み始めたばかりだがユーモラスな挿絵と相まって、ユニークな会話や古語なども出てきてなかなか面白い。

その第107回(秋田では昨日の日刊に掲載。)

俗に「京へ筑紫(つくし)に坂東(ばんどう)さ」などと言う。どこそこへ出かける、と言う際、京の者は何々へ、九州筑紫地方の者は何々に、そして関東の者は「何々さ行く」と(京者は)その頃は言い習わしていた。

これを読んで、あっと思った。
「何々行く」は今の秋田弁そのものではないか。
「ど えぐしか」=「どこに行きますか」
「ゆっこ えぐし」=「お風呂に行きます」
(秋田弁では「し」を付けると丁寧語になる。また、名詞の語尾に「こ」を付けることが多い。いぬ(犬)っこ、あめ(飴)っこ、など)

それでは時代はどのあたりだろうか。
調べてみなければ気が済まない。
おそらく小説の冒頭部分に何らかの記述があるだろう。
そう思って、昨日秋田市立図書館に行ったわけだ。

連載の開始は、平成23年1月12日(日刊)、そして時代の紹介は1月15日の第4回にあった。

応仁の乱が終息して、50年近くになるが、洛中洛外の兵乱はいっこうに収まる気配を見せない。
(中略)
今年-大永(だいえい)7年(1527)、将軍義晴(よしはる)を擁してその権力を誇っていた細川高国(たかくに)は、四国阿波からやって来た足利義維(よしつな)と細川晴元(はるもと)の兵に追われて洛中を退去した。

応仁の乱は、1467年から1477年までだから、終息して50年近くと言うことは、1530年前後のことだろうかと思ったら、はっきりと1527年とある。今から484年前、関東では「何々さ行く」と言っていたわけだ
そして今、秋田で「何々さ行く」
言葉は同心円状に広がりやがて辺境の地に定着する。
今秋田に受け継がれている。

1530年頃、関東から秋田に来た人は「どこさ行く」なんてナウイ言葉を喋るから、秋田おばこの心をぎゅっととらえて、かなりもてたんだろうな。
たちまち流行語になって関東訛りを喋らなければ馬鹿にされたのかも知れない。
今、東京で「銀座さ行く」なんて喋ったら結構もてたりして。

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この記事へのコメント

おばさん
2011年05月23日 15:29
昔の演歌でそーいうタイトルありましたね。

何々さ行く。

それを思い出しました。(^.^)
2011年05月23日 16:54
ありましたありました。
かなりヒットしましたね。
黒柴
2011年05月24日 00:04
朝日新聞なんですね。
いいなあ、面白いですよね。朝日
うちは中日新聞です。
まあうちは主にお悔やみ欄チェックと広告が主ですから

>名詞の語尾に「こ」を付けることが多い。いぬ(犬)っこ、あめ(飴)っこ、など

うちの母なんにでも「子」をつけます。
可愛いからだそうです

犬=「犬子ちゃん」
お茶=「お茶子ちゃん」

秋田弁に近いんですかね


2011年05月24日 08:59
黒柴さん
中日新聞ですか。好きな新聞です。東京では東京新聞(中日新聞社が発行)ですね。あなたのお母さんは素敵な人ですね。ユーモアがあって。私の母も金魚に「こ」を付けています。キンコだって。

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