顔見世
昭和四六年の顔見世のパンフレットがある。
私が5回生の時の物だ。
チケットは山科に住む母の伯母の気配りだった。



秋田で就職が決まり、京都は翌年の3月で最後だと思っていたから、ここでなければ体験できないことに積極的に取り組んでいた。
京都市交響楽団の第9を聞きに行ったのもそういう理由からだった。
この年の顔見世は歌舞伎ファンの間でなくても評判が高い玉三郎が目玉だった。
京人形という踊りが始まった。
人形の入った箱の蓋が取り除かれると、玉三郎扮する人形が表れる。
一斉に大きなどよめきが起きた。
思わず口から出たホーとかオーとかいう驚きの声が大きな歓声となって会場を包んだのだ。
それほど美しかった。
彼は当時17歳くらい。その歳で既に絶頂期ではなかっただろうか。
俊寛や曽根崎心中などの有名な狂言も鑑賞して京都の師走を堪能したのであった。
この記事へのコメント
随福至春 前途光明
今年も宜しくお願いします。
何よりも健康第一で
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
歌舞伎の顔見世興行を若い頃に見られたのですね。高尚な趣味だと思います。本年もどうぞ宜しくお願い致します。
新年おめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
歌舞伎はそれ以降数度見たきりで趣味と言うほどではありません。そうできたらいいなと思いますが、深い世界ですからそれなりに勉強する必要があることでしょう。今の私には無理です。でも機会があれば素人見したいと思っています。
玉三郎、古い写真の中でも美しいですね。観客から驚きの声が出るとは、現実に美しすぎたのでしょうね。学生時代に良い体験をなさったですね。ついにコメントが書き込めます(笑)。
いい思い出です。あれ以来、顔見世は見ていませんし、おそらく玉三郎の艶姿を見るのもあれが最初で最後。人生は何事にもタイミングがあるんですね。
これからもどうぞよろしく。