我が母の孫

息子が母の所へ行って来るという。

歩いて2,3分。
良く行く。
87歳対24歳。
いったいどんな話をしてくるのだろうか。

父がまだ元気な頃、やっぱり「爺さんの所へ行ってくる」と言って、時々遊びに行っていた。
何を話してくるのか興味津々。
しかし、決してどんな話をしてきたか教えない。
両親に聞いても、「いい子だよ」と言うだけで、どんな話か(両親ともに忘れているから)、わからない。
一度、聞きたいと思って息子が両親の所にいる時に、ふらりと行ってみた。
すると、息子は私の顔を見ると、じゃあなと、爺さん婆さんに挨拶して、さっさと帰ってしまった。
だから何を話していたのかわからない。

でも、爺さん婆さんが小遣いをやろうとすると、この間たくさんもらったから今日は要らないと言ったそうだ。

二人の孫を父は本当に可愛がっていた。その父も今はもういない。

父と言えば亡くなった女房の父。
こちらも孫を愛することにかけては負けていなかった。
彼は子供の頃、旧満州で過ごした。
そして、終戦後抑留、苦労した人だ。
今も元気なら84歳くらいか。

その義父が中国に行くことになった。
息子はその頃小学生。
京劇のあの仮面が欲しいのだという。
じゃあ、お爺ちゃんにお願いしてみな、と言った。
だけどな、旅行に行く人にはお餞別を差し上げるんだよと教えた。

義父は中国からたくさんのおみやげを買ってきてくれた。
でも、残念ながら仮面はなかった。
仮面のミニチュアを1セット。
仮面そのものは買えなかったということだった。
でも、と言った。
あの子から「おじいちゃん、これお餞別と言って、千円札をもらった時には、あんまり嬉しくて涙が出そうになった」と。

子供達には、小さい時から反面教師という言葉を教えて、
俺を反面教師にしろと言ってきた。
その成果が今表れてきた。

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